お正月の定番料理と言えば「おせち料理」ですが、定番のお酒と言えば「おとそ(お屠蘇)」です。お屠蘇はお酒とは言え縁起ものですから、子どもでも口をつけるのがしきたりです。
では、このお屠蘇にはどんな意味があるのかご存知でしょうか。そこで今回は、この「お屠蘇」について取り上げてみたいと思います。
ほろ酔い気分
■お屠蘇の意味
お屠蘇という言葉のルーツは、唐の時代の中国にさかのぼります。
唐の医者が数種類の薬草を調合し、お酒やみりんに浸して風邪予防のためにふるまったのが始まりだと言われています。
お屠蘇の正式名は「屠蘇延命散」と言い、屠蘇の「屠」は「邪気を払う」、「蘇」は「心身を目覚めさせよみがえらせる」という意味です。
流行の風邪を予防するためのお酒であり「屠蘇」という名前になったことから、その年の邪気を払い、延命長寿できるようにと飲まれるようになりました。
■お屠蘇の作りかた
お屠蘇には10種類ほどの薬草が調合されています。古典では「大黄、桂
心(シナモン)、白朮(オケラ)、桔梗、バッカツ(ユリ根の一種)、蜀椒、防風、烏頭」 の8種類と書かれていますが、近年では、効果の強い大黄や烏頭を除いた6種類に、甘みを増すための甘草や、みかんの皮などを混ぜることが多いようです。
とは言っても、個人でそれぞれの薬草を買ってきて、調合するのは難しいかと思うので、薬局などで売られているティーバッグを用いるとよいでしょう。そして、そのティーバッグをお酒やみりん300mlに浸します。
お屠蘇といえば日本酒のイメージかもしれませんが、甘みが強くなり飲みやすくなるので、お子様のいらっしゃる場合はみりんを混ぜてあげるとよいかもしれませんね。
だいたい3?5時間程度浸せば、おいしいお屠蘇ができ上ります。
量が多い場合は浸す時間を長くするとよいのですが、長すぎると濃くなりすぎたり薬草が沈殿してしまうことがあるので注意してくださいね。
■お屠蘇の健康効果
お屠蘇は風邪予防のために調合されたのが始まりというだけあって、カラダによい成分がいっぱいです。
例えば、お酒やみりんにはブドウ糖やアミノ酸、ビタミン類が含まれていますし、血行も促進されます。また薬草にも、血液浄化、滋養強壮、健胃などの作用があります。
唐の時代に調合されたのが最初とは言え、現代でも効果があるような調合がなされていたのがすごいですね。
しかし、古くから飲まれているお屠蘇も、近年飲む家庭が減ってきているそうです。せっかくの伝統的なものですから、大切にしたいものですね。
健康づくりお役立ち情報サイト【健康60】より抜粋
http://www.kenko60.com/koudoku/index.html
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