久々に「一夢庵風流記」を再読しました。連休中あまりプライベートな時間が少なかったので、一気に読破出来ませんでしたが、かじり読みでの完読です。
「一夢庵風流記」は戦国武将:前田慶次郎の生涯を描いたtake1の大好きな歴史小説の一つですが、読み終わった後は、自由な爽快感と優しく大きな心、義理を重んじる美しい心を再認識させられます。
タケイチホームのニュースレター2009年11月号の「ふり〜と〜く」でも語りましたが、take1が戦国武将の中で、特にお気入りの「前田慶次」について。。。。
前田慶次とは。。。
負けた陣営で戦うことが多く、一国一城を手にしたこともないのに、前田慶次の人気は高いですね。
愛用の朱やりを持てば鬼神のように敵をけ散らす猛将でありながら、歌舞音曲や連歌にも通じた風流人でもあり、派手な衣装を好み常識にとらわれない「かぶき者」だった慶次は、海音寺潮五郎、村上元三、司馬遼太郎ら多くの作家に愛されてきた戦国武将です。
現在の慶次ブームのきっかけを作ったのは原哲夫の漫画「花の慶次」だと思いますが、その原作になったのが隆慶一郎の「一夢庵風流記」です。take1の一押。
隆慶一郎は、敵将や刺客であっても尊敬に値すれば礼節を持って接するが、卑劣なふるまいは絶対許さない義侠心(ぎきょうしん)あふれる男として慶次を描いています。
破天荒ながら圧倒的なカリスマ性を持つ慶次を通して、
人間の価値はどれだけ出世したかやどれだけ金を稼いだかではなく、虚飾をはぎ取った後に残る本質にある
としているのも興味深いです。慶次は猿顔の秀吉の前で猿のまねをしたかと思えば、尊敬する直江兼続を救うため、援軍として最上義光・伊達政宗連合軍の猛攻を凌いでもいるので、本当に熱い男だったことが分かります。
慶次は義理の叔父にあたる前田利家とソリがあわず、利家を騙して水風呂に入らせた後に出奔したのは有名なエピソードで、慶次のイタズラはこれだけでなく、天下無双の慶次が旗指物に書いた「大ふへん者」を、人々が「大武辺者」の意味だと解釈したのを見届けた後に
「われ落ちぶれて貧しければ、大不便者という事なり」
と言い放ったエピソードが紹介されています。
関ケ原の合戦の直後、慶次は京の伏見から兼続が暮らす米沢へ。
その時の旅を「前田慶次道中日記」にまとめています。その中には、旅先の伝説やうわさ話、呪術(じゅじゅつ)や祈祷(きとう)などの奇習までを丹念に記録している内容は第一級の趣味人、文化人の顔もかいま見える何にでも長けた素晴らしい人物だった事が解ります。慶次はやりたいことをやり尽くした後に、和歌を親しみ静かな余生を送ったとの事。
前田慶次の自由奔放な生き方が、小説や漫画を通して多くの現代人に愛されているのは、自由奔放でかっこいい生きざまはもちろん、普通の人間があこがれつつも果たせない夢を実現したからではないかな??って思うのは僕だけでしょうか?。。。
一夢庵風流記 (集英社文庫)
take1お薦めの一冊です。
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