風立ちぬ
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宮崎駿監督がゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメ。美しい飛行機を製作したいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女との出会いと別れをつづる。主人公の声には『エヴァンゲリオン』シリーズなどの庵野秀明監督を抜てき。ほかに、瀧本美織や西島秀俊、野村萬斎などが声優として参加する。希代の飛行機を作った青年の生きざまと共に、大正から昭和の社会の様子や日本の原風景にも注目。
公開してからずっと賛否両論の渦の中、ずっと1位を独走しつづけているこの作品・・・。一応観てきました。
宮崎作品というのは、個人的に老若男女問わず、全ての年齢層に受け入れられ、
何も考えずとも楽しめる娯楽性と面白さがあったと思いますが、この作品
だけはチョット違いました。
個人的には、最低でも中学生以上向きで、いつもの感覚でファミリー層が本作を観に行くのはチョット止めた方がいいような作品です。
「崖の上のポニョ」(08年)以来の宮?駿監督作品。そして、「紅の豚」(92年)以来の飛行機作品で、今年の日本の興行収益のナンバーワン候補だとは思う本作は、宮崎駿がかなりの飛行機マニアであることもあり、監督の気持ち全開で伸び伸びと作った楽しい作品なんじゃないか?と思いましたが?。。。。(笑)
今まで、宮崎作品では架空の魅力的な主役が自由に楽しく面白く描かれていましたが、take1の知る限り、今作品はゼロ戦の設計者として知られる堀越二郎というジブリ初の実在の人物を描くということで、かなり違和感がありました。
今まではフィクションの中で自由に描かれていたので、現実離れしていてもなんら気にはなりませんでしたが、今回はノンフィクションベースなので、一応はまともな人間ドラマを作らねばならないということを考えると、この主人公は、子供向けアニメの明るく、穢れを知らない、ポジティブなのはどうかな?
戦時中の人間社会の膿と苦しみには無縁で、一切の汚れがなく、正義感と常に前向きなイメージは今までの宮崎作品の架空の男の子となんら変わらない(@_@;)
この時代背景はファンタジー世界ではなく、戦時中の貧しい日本なので、あまりに非現実的に見えました。
アクションシーンに注目すると、本来ゼロ戦とは、戦争に使われた戦闘機。
それを子供に大人気のジブリがゼロ戦が戦争で活躍する様子をリアルに生生しく描くことは出来なかったのが奥に読み取れます。
まあ、もし?描いたとしても、爽快感たっぷりに、違和感たっぷりになってしまうんでは?(^_^;)
で、この作品の最大のポイントは、平和主義者で子供向け作品の巨匠、宮崎駿が
ゼロ戦の開発秘話なのに、ゼロ戦の戦争活躍場面を描かず、大好きな飛行機作品なのに、それが自由に飛び回る場面を描けない矛盾とどう?対峙するのか?だと思います。
実在の人物を描くというのに、リアルには描写出来ない矛盾。
戦争映画だというのに、観客の年齢層を考えると生々しく描けない矛盾。
そして、大好きな飛行機を設計し、理想の機体を作りあげたとしても、その先は優秀な人殺しの道具として大勢の敵国の人間をを殺してしまう矛盾。
そう思うと、「紅の豚」は生き生きと描かれていような。。。
しかし、take1がどう感想を言おうと、観客や評論家がどう?賛否を問うおが、宮崎監督の一応生涯最後の作品という事を考えると監督自身、この矛盾にしっかりと向き合って、吹っ切って、本作の主人公に、自分自身を投影して、大きな共感を持って作り上げたのが伝わってきます。
最後に一言。。。。
宮崎駿監督、お疲れ様でした。
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