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映画
映画 : クラウド アトラス
投稿者 : take1 投稿日時: 2013-04-03 23:44:45 (960 ヒット)

クラウド アトラス


http://wwws.warnerbros.co.jp/cloudatlas/index.html

19世紀から24世紀へと世紀を超えて、六つの時代と場所を舞台に人間の神秘を描く壮大なスペクタクル・ドラマ。兄が性転換を経て姉弟となったラリー改めラナ、アンディ・ウォシャウスキー監督と、『パフューム ある人殺しの物語』のトム・ティクヴァが共同でメガホンを取る。時代をまたいで存在する同じ魂を持つ複数の人物という難役に挑むのは、名優トム・ハンクスをはじめ、ハル・ベリーやスーザン・サランドンといった豪華キャストたち。過去や未来を映す迫力ある映像や、深いストーリーなど、ロマンあふれる世界観に圧倒される。



途轍もなく、壮大で、難解で、厄介で理解するのに少々時間が掛かる作品でした。

6種の時代、6人の主人公、そして6つのストーリーが同時進行で進んでいくという。。。かなり混乱を招くような構成になっていて、観はじめは、混乱しそうになりました。それから話が進むうちに、だんだん違和感もなくなり、理解でき始めいいテンポで物語が進行していきます。

でも、観る人によっては、この作品世界に自分の人生観が合わないと、観賞が苦痛にしかならないのかもしれません。
というのは、世界的には全く興行がフルっていなかったとの事。


それぞれの物語は、アクション、SF、コメディ、サスペンス、ファンタジー、・・・等、異なるジャンルが混ぜられて、纏まって一つの作品になっています。

これを作った監督は凄い。。。エンターテインメントとして成立しているのが、また凄い。

それぞれの時代の登場人物の設定から、背景まで全く違っていて、全く関係のない話が展開されているようなのだけれど、6つの時代のエピソードと、それぞれの相互関係を示すヒントや要素が至るところにちりばめられています。

ストーリーが、同時進行するので、話があちら、こちらとそれぞれの時
代に飛びますが、その都度その都度の演出が素晴らしく、感服です。

トム・ハンクスの演じる人物は、悪人から始まり、途中、善人、悪人と繰り返した末に、善と悪の心に苦しみ悩みながらも乗り越えて、最後は地球を救うまでに魂が成長して、最愛の人とも結ばれます。

同様に、ぺ・ドゥナとジム・スタージェスの二人も、最初の物語と未来世界の両方で出逢い、愛し合い、色んな困難を乗り越えて、運命は死んでも続いていく。そこに差別はなく、肉体は魂の器として描かれています。

それと反対に、ヒュー・グラント演じる魂は、時代進行と共に、加速度的に業を深めて、最後は人食い族にまでなってしまう。

輪廻転生を繰り返し、魂が精進する人もいれば、魂が精進せず、過ちを犯す人もいるということが解ります。

予告宣伝は、テーマである「輪廻転生」がクローズアップされていたので、
魂の繰り返しという視点で観ていましたが、監督は、輪廻転生、前世、来世を表現したというより、自分が現世でどういう方向で生きるか?ということを描いた作品なんじゃないか?と思います。

ペ・ドゥナが演じる、ソンミ451が
「人生は、ちょっとしたことで、昨日と変わりうる。誰と出会ったかで、自分は変わる」
と言っていました。

仏教でいう人と人の出会いの縁。縁のつながりがその人の人生となります。

また、ソンミの
「命は自分のものではない。子宮から墓場まで」
「人は他者とつながる。過去も、現在も」
「すべての罪が あらゆる善意が 未来をつくる」
という言葉から仏教要素がふんだんに取り入れられている作品だと感じました。

人が生きるということは、すべて因果関係の上に成り立っているので、それぞれの行動や種蒔が目に見えない小さなものだったとしても、自分の知らない数百年後に、重要な影響を与えているかもしれっません。

そう考えると、今まで出会ったすべての人や、これまで生きてきた人の縁によって、自分自身が存在していると考えてしまします。

一回観ただけじゃ理解できないかもしれませんが、観た後に温かみを感じる、とても気分がよくなる映画でした。

なので、上映時間3時間弱はそんなに苦にはならないし、しいて言えばこのテーマにこの上映時間はまだまだ短いんじゃないかな?(笑)


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