THE GREY 凍える太陽
http://grey-kogoeru.com/
『グラディエーター』のリドリー・スコットと『アンストッパブル』のトニー・スコットの兄弟が製作を務めたサバイバル・アクション。アラスカのツンドラ地帯で起きた飛行機事故の生存者たちが、過酷な大自然の中で決死のサバイバルを繰り広げていく姿を、壮大なスケールで活写する。『96時間』『アンノウン』で、ワイルドでタフな魅力を開花させたリーアム・ニーソンが、本作でも自然の猛威やオオカミの群れに挑む屈強な主人公を快演。メガホンを取るのは、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』などのジョー・カーナハン。
公開時期が素晴らしい....
この猛暑の中、スクリーンの中では極寒の中に身震いするほどの緊張感と極限の恐怖と絶望感を味わい方にはかなりお薦めの作品です。
舞台はアラスカ山中。映像は吹雪か豪雪しか出てきません。恐ろしいマイナス40度の極寒世界を舞台にしたサバイバルアクションに映画館を出て猛暑の熱気に当たって安心してしまいました。わざわざ真夏に公開する配給会社の計らいがいいね。
そして、題名がベスト....
灰色の空、灰色の狼、灰色の未来と灰色の心。。。この作品全てがまさにグレーです。
当初、飛行機が墜落して助かった会社の社員達。。。主人公のリーアム・ニーソンを中心に極寒の中を狼達をやっつけてサバイバルしながら脱出する痛快冒険アクションだとおもいきや?ゴールが全然見えません。希望的な方向性は全く裏切られ、観ていてもの凄く疲れる、しかし、物凄い見応えです。
食料少し、武器なし、通信手段なし・・・・救助なし
今をトキメク絶対的に頼れるアクション俳優リーアム・ニーソンをもってしても逃げ出すしかない状態が絶望を誘う。。。。
奇跡的に生き残った社員達ですが、もしかしたら?墜落で死んでいた方が幸せだったのではないか?とさえ思ってしまいます。
生きたまま、狼に食いちぎられ、内臓をむさぼり食われ、破壊的な絶望感が襲ってきます。そして大自然は無情にも極寒の容赦ない寒さを提供。。。
常に奴ら狼達に見張られ、一瞬も気が抜けない、隙を見せれない状況の中極限の緊張感と恐怖感、疲労感が彼らを追い詰め、やがてジワジワとその心を折っていきます。
いい加減で下手なホラー作品よりも恐怖に泣き出したくなります。
男の人生を感じさせる作品でもあるんじゃないかな?
狼に襲われ殺される方がましと諦めるか?
体力任せに一心不乱に進み続けるか?
覚悟を決めて狼と戦うか?
男たちの選択は個人個人それぞれの人生を描いたドラマそのものといえるでしょう。
そして最後の最後にニーソンが立ち向かうべき試練として、この作品において考えうる限り最高な皮肉で絶望的な状況が用意されています。
これほどの恐怖と緊張感を味わわせてくれる作品は久々でした。
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