八日目の蝉
投稿日時 2011-05-07 20:22:37 | カテゴリ: 映画
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八日目の蝉
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誘拐犯の女と誘拐された少女との逃亡劇と、その後の二人の運命を描いた、角田光代原作のベストセラー小説を映画化したヒューマン・サスペンス。 監督は、『孤高のメス』など社会派エンターテインメント作品で定評のある成島出。誘拐された少女の大学生時代を井上真央が演じ、愛人の娘を誘拐する女性に永作博美がふんするほか、小池栄子や森口瑤子、田中哲司など実力派俳優が勢ぞろいする。
隠れ×2永作ファンのtake1です。
邦画のこの手のヒューマン・サスペンス作品は、あんまり今まで観なかったtake1ですが今回は永作が出演しているのが少し影響しました。
正直。。。。観に行ってよかった〜〜〜〜〜。。。。
脚本、演出、キャスト、映像、音楽すべてよし。かなりレベルの高い作品でした。 凄く当たりです(あくまでもtake1評価)
演出がとにかく凄い。 物語は現在と過去が入り混じりながら進んでいく。その構成は凄く見事だと思った。その事で物語が分かりづらくなることもなかったし、全く無駄を感じる事はなかった。
現在から過去へ。。。。過去からいきなり現在へ。。。。
いきなりの冒頭は、希和子(永作博美)が法廷で裁きを受ける場面。 そして不倫相手の妻の赤ん坊をさらった希和子が逃亡を繰り広げる過去の場面へ。。。。 必死の歳月はいきなり端折られ、暗い過去を背負って成長した娘・恵理菜(井上真央)の視点からがメインの物語であることが印象付けられます。
冷え冷えとした娘の現在 温かな母の子育ての過去。
一掴みづつのシーンが交互に描かれていくことで、恵理菜の記憶にはない思い出がゆっくりゆっくり手繰り寄せられていくかのような感じがイメージ出来ます。
クライマックスにどんでん返しや騙し、オチがある映画じゃないので、役者の演技に大きく左右される映画だと思います。
で、出演者みんな素晴らしい演技でした。
はい、お目当ての永作さん、当然素晴らしかったです。贔屓入っていても全く文句はございません(笑) 罪深き聖母ともいえる永作博美の表情には圧倒されました。そして逃亡の地である小豆島の美しい自然と希和子の愛情に満ち溢れた笑顔が同化してきらびやかに輝いているのが印象的でした。
意外だったのは井上真央。 実を言うと、そんなに気にしていないし、好きな女優さんではなかったです。 でも、 太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男 http://take-1.sakura.ne.jp/modules/masternews/index.php?page=article&storyid=553 からかなりイメージが変わりました。ただの女子高生的なキャピキャピが印象でしたが、今作では暗く影のある孤独な女性で、魂が震える格好いい女優さんになった感があります。 役柄的にも新境地といった感じで、見た目的にも今までをガラッと変えた印象で素晴らしかった。
そんな中、take1の一番のダントツは小池栄子の千草でした。
挙動不審で怪しく、でもなぜかむげに断れない、どこか不思議な雰囲気を持つ醸し出す千草。。。。 その雰囲気で怪しく優しくそのまま少しずつ少しずつ、恵理菜の生活に入り込んできます。 そして、明かされる千草の過去。。。。。。この難しい??重要な役所を見事に怪演してました。
この作品から浮き出てくるのは母性というものの底知れぬ偉大な愛だと感じました。
でも、それと同時に浮かび上がるのは、無垢な娘の幸福な母との時間は、本来憎むべき相手との無条件で愛し愛される関係の日々だったという大いなる矛盾かもしれません。
これは、母親が自分の幸せを追い求めた過程に巻き込まれた娘の魂が、母と同じ過ちを繰り返すことなく癒されるかを問うまさに漂流の物語ではないだろうか?
正直、泣きました。クライマックスで。。。。。 でも何か不思議な涙でした。
爽やかで軽い涙のようで、心に染み入る重い涙でもありました。
それは、恵理菜が小豆島での旅を通じ母との思い出を手繰り寄せ最後に写真館に訪れた希和子の存在を知り恵理菜の苦悩が自己の母性愛と母の愛の融合によって鎮められていくのを感じ恵理菜のこれからの生きる糧、希望の拠り所を見出したからかな?
はい、お薦めです。
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