のぼうの城
http://nobou-movie.jp/
戦国末期、豊臣秀吉、石田三成勢の2万人の大軍に屈せず、たった500名の兵で抗戦、勝利した実在の武将・成田長親の姿を描く時代劇。『ゼロの焦点』の犬童一心と『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』の樋口真嗣が異色のダブル監督に挑み、第29回城戸賞を受賞した和田竜のオリジナル脚本を映像化。“のぼう様”と呼ばれたヒロイックな主人公を野村萬斎が熱演するほか、佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴らが城を守る侍大将を演じる。底知れぬ人気で人心を掌握した主人公の魅力や、豊臣・石田軍による水攻めシーンなど、見どころ満載の歴史大作だ。
公開前からかなり前評判が高かった映画ですね。
津波をイメージさせるシーンがある事から震災に配慮しての完成から少し間を置いてからの待ちに待った公開でもあります。
はい、上映時間145分という長さですがまったく長さをも感じない作品で水攻めのシーンは今なお辛いシーンですが、この作品のオープニングと物語の成り立ちには絶対に欠かせないシーンなので耐え忍んでもらいたいところ。
そしてなんといっても本作は野村萬斎なくしては成り立たない作品だといっても過言ではないでしょう。
はい、萬斎演じる主人公長親は他の役者さんでは到底無理。。。
独特の台詞回しが何か?良くて、中でも2万人の敵前で田楽踊り(豆腐じゃないですよ?)を踊るシーンは他の役者では全く成立しないんじゃないかな?(和泉モトヤ君じゃ話しにならない)それくらいはまり役というか?萬斎が素晴らしいと思います。
長親を固める脇役陣もいいキャラ揃えてますし・・・
のぼうの幼なじみで槍一本で敵に向かっていくカッコいい佐藤浩市
いかにも力自慢の武将山口智充
兵書を読んで、知略を生かして敵を迎え撃つ智将成宮寛貴
みんないい味出してます。
実は、2万対5百という触れ込みで少人数が大人数に戦いを挑む映画の醍醐味を観る前からどんな工夫と技があるのか?と期待度マックス。。。。
どんな秘策があるのかと思いきや、正直肩透かしな部分があったのは事実です。
周りを水田で囲まれて水に浮かぶ地形をしている忍城の構造や、その地形を利用して存分に行動できた家臣達の働きもありますが、一番の秘策は力ではなく人徳で治める長親の人間的魅力とリーダーシップでした。
長親が日ごろから身分を全く気にすることなく分け隔てなく農民に接し「のぼう様」呼ばれて親しまれている人柄が一番の武器になっています。
だから戦が決まっても、領民達は「のぼう様の事だから」と長親に協力したのだろう。
そして、長親は「でく」をつけられない「のぼう様」は策略家な顔もチラリ。。。
金目当てで水攻めの堤を築いた農民が、自分が相手に撃たれて死ねば、堤を破壊するんじゃないかと計算して自ら命を投げ出す行動にでます。
最初からこのような計算があって、わざと撃たれるところなんぞは、長親はなかなかの策略家である。
開城の交渉で、豊臣側が無理な条件を出したのに反発して、長親が最後まで徹底抗戦を宣言するところが、また何とも実に気持ちいい場面でした。
領民を信じ、大勢の権力に屈せず、自分の主義を貫く長親の真っ直ぐな男気に感動。。。
映画の終わり、エンドロールでは現在の埼玉県行田市の様子が映ります。
作品の中で登場した地名が今でも残っており、現在も石田堤が残っているのには時間の流れと歴史の重みを感じました。
合戦で幾多の人々の血がされその繰り返しの歴史の中で現在の平和な世の中があるのも先人達が築いてくれたおかげだと感じて、ウルウルなtake1でした。
萬斎の魅力的な声と演技に浸りたい人はお薦め作品です。
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